フランス映画と女たち
2023年10月にアテネフランセ文化センター、12月にStranger 映画館ストレンジャーにて開催された特別企画「フランス映画と女たち」では、日本未公開作を含む3作品を上映いたしました。
『レースを編む女』
原題:La dentellière/1977年/107分/監督:クロード・ゴレッタ/原作:パスカル・レネ/主演:イザベル・ユペール
パスカル・レネによる同名小説(ゴンクール賞受賞)の映画化。イザベル・ユペール演じる美容師見習いの少女の小さな恋の物語を描く。休暇に訪れたノルマンディで、大学生の青年と主人公は恋に落ちる。しかし、自らを抑圧しつづけてきた彼女は、やがて狂気へと陥ってしまう。映画内では、プルーストやモーパッサンなどの文学へのオマージュがなされる。また、劇中の音楽にも注目したい一作。
『ヴィオレット・ノジエール』
原題:Violette Nozière/1978年/118分/監督:クロード・シャブロル/主演:イザベル・ユペール
1933年のフランスで起きた事件の映画化。父親を毒殺した女性犯罪者ヴィオレット・ノジエールをイザベル・ユペールが演ずる。ヴィオレットは逮捕後に、実父からの近親相姦を殺害の理由としてあげているが立証されていない。彼女はシュルレアリストたちからミューズとして讃えられ、詩作の対象となったことでも有名である。
『盗むひと』
原題:La voleuse/1966年/86分/監督:ジャン・シャポー/脚本:マルグリット・デュラス/主演:ロミー・シュナイダー、ミシェル・ピコリ
ロミー・シュナイダー演じるジュリアは、19歳の時にやむなく手放した子どもを6年越しに取り戻すための誘拐を企てる。脚本を読んだロミー・シュナイダーが主人公に共感し、出演を決めたことでも知られている。国内初公開の本作は、現代においても問題提起の意味を失っていない。
上映館情報
アテネ・フランセ文化センターでの上映時のチラシ
Strangerでの上映時のチラシ